本格的に執筆を始めた茜は、一切の連絡をシャットアウトして、
部屋にこもる生活をしていた。
この生活が始まると、毎日がカップめんとコーヒーとタバコの日々で、
寝るのはデスクという何とも不規則な生活が続く。
今回は、三ヶ月で仕上げる計画なので、とにかく書き続けなければ終わらない。
こんな生活が、二週間を過ぎた頃、茜は電話やファックスのチャックをする。
『うっわぁー!留守電30件にファックスの山だよ…』
留守電のほとんどは、希と奈美からだった。
『あの二人は…、私が仕事を始めたら、こうやって連絡してくるんだから…』
何か感じるものがあるのだろうか…。
茜が仕事を始めた事を言っていないのに、この時期に、いつも連絡が集中している。