つい最近、書き終えたばかりなのだが、今年は十一月までに三冊あげて欲しいと言われてしまった。



『十一ヶ月で三冊は厳しいって…。
プライベートな時間がなくなるよ…』


とぼやいたところでどうにもならない。



この契約を守らなければ、書いていけないのだから。



『ベストセラー作家になれば、もっと書かなきゃいけないんだろうな…。
売れてなんぼの世界だからね…。

一回でもいいから、二百万部なんて売ってみたいもんだわ。
嫌、それはマズイか。
プライベートがバレる』



何とも厳しい現実なのだろうか…。



そんな厳しい現実の中で生きて行くには、やはり強くなければならない。



愛は大切だが、溺れる訳にはいかない。



何とも矛盾している話なのだろうか…。