拓也は、茜の前から姿を消したあの日から、茜を思い続けて生きて来た…。
忘れようと思った事も何度もあった…。
それでも、忘れる事なんて出来なくて、ずっと苦しんで来た…。
茜に再会出来た事は、拓也にとって、とても嬉しいことだった。
だが、正直複雑な思いなのだ。
茜の中では、やはり光の存在は大きい。
その中に、自分が入る余地などあるのだろうか…。
嫌、もし茜に愛される事がないのだとしても、
茜のそばで、茜を支えて行きたい…。
茜が幸せになれるなら、どんな事でもしてやりたい…。
茜にもう一度笑顔が戻るのなら…。
そんな事を思いながら呑むんでいた拓也は、
あっという間に焼酎三本を空けていた。
それでも、何故か酔えなかった…。