あの時は、それが一番いい方法だと思った。
嫌、今でも間違いではなかったと思っている。
だが、二十三年の時間を経て、拓也に再会すると、
違う方法があったのではないかととも思ってしまう自分がいた…。
もし、あの時、光と付き合わなければ、三人はどうなっていたのだろうか?
やっぱり、三人は一緒には居られなかったのだろうか?
今更、こんな事を考えるなんて、思ってもいなかった…。
茜が帰った後、拓也は店で一人朝まで呑んでいた。
「茜…、綺麗になったな…。
茜はやっぱり光の事を今でも思ってるのか。
俺は…、ずっと…、茜が忘れられなかったんだ…。
俺は…、茜以外愛せないんだ…。
二十三年経った今でも…、俺は…」