茜は拓也に逢うために、名刺の店に行く事にした。
そう決めた時に、こんな事も思った。
『そう言えば…、力との事もきちんとしないとな…。
でも、まずは拓也の方が先だよね』
と考えながら、まずはお腹を満たさなければ。
食事をして、と言ってもカップめんだが。
その後はバタバタと部屋の中を動き回り、シャワーを浴びて、
出かける用意をした。
時計を見ると、すでに九時になっていた。
『もうこんな時間か…』
茜の心臓はバクバクしていて、必死に落ち着かせていた。
『そろそろ行きますか…。
でも、緊張だなぁー!マジで!でも行くぞ』
茜は自分で自分に気合を入れた。
タバコを一本吸って、拓也から貰った名刺を握りしめ家を出た。