…仕事の話か。 私はほっとして相づちを打つ。 「そうでしたか。ところでどういった用件でしょうか?」 『あー、今からこの間渡しそびれた書類届けに行くように言われてて、後10分位でそちらに着くんだ。高野課長の代わりに受け取ってもらえる?』 そう言われ、私はなんの警戒心もなく返事をした。 「わかりました。お待ちしています」 『ありがとう!詩穂ちゃんに会えるの楽しみにしてるから』 少し引っかかる最後の一言ではあったが、仕事上の会話だと自分に言い聞かせることにして電話を切った。