私も急いで高野課長の背中を追いかける。 ―――会社を出てしばらくたったところだった。 「…コレ、捨てておいて」 課長は隣を歩く私にそう言い、なにか差し出してきた。 「!…これ、さっきの手紙じゃないですか」 私がそう言っても顔色一つ変えず、課長はさらに言う。 「だからだ。んなもんいらないからな」 なんだか有無をいわさない感じの話し方に、私はとりあえず手紙を預かり、バッグにしまった。