俺は急いでパーカーを着てドアを開ける。 すると、壁に背をもたれる里谷の姿があった。 俺に気づいた里谷は、俺の目の前にペットボトルを突きだす。 「早く飲んでください。汗かいたんだから水分取らないと」 「…うん」 俺はそう返事をし、スポーツドリンクを飲み始めた。 思った以上に喉が渇いていたらしく、半分以上を一気に流していく。 「…なぁ」 「はい?」 俺は、ペットボトルの蓋を閉めながら話しかけた。 「………いや、なんでもない」