「あ、え~っと・・・・

兄、です。」




わたしがそう言った途端、教室がもっとざわついた。


男子たちまでわたしをじろじろと見てくる。





嫌だな・・・・


わたしは、司くんみたいに有名人タイプじゃないもん。

どっちかというと、地味でインキャだから。




こういう雰囲気の中心は、居心地が悪くてしょうがない;




「ねぇ、みんな!!」


いきなり、辰くんの呼びかけが聞こえた。



女の子たちから静かになっていく。





「美亜の自己紹介中だから、静かにして?」



・・・・辰くん。





辰くんは、わたしの方を見てにっこり笑ってから
が・ん・ば・れ
と口ぱくで告げた。





やっぱり、優しい。


でも、ドキドキしちゃだめ!!

みんなに優しいんだから!





わたしは、辰くんのおかげで無事自己紹介を終えた。