独占★Honey



「わたしね、辰くんに言いたいことがあって待ってたの。」


「俺に、言いたいこと?」


「そう。
聞いてくれる?」

不安そうに俺を見上げる美亜。




「うん。でも、そのあと、俺の言いたいことも聞いてほしい。」


「後でいいの?」

「うん♪
いつも、俺ばっか言いたいこと言ってたでしょ?

だから、美亜に言いたいことができたなら、先に聞きたいんだ。」


なんでもいい。

美亜の言葉なら。


美亜の気持ちを、知りたいんだ。





「ありがとう。

じゃあ、先言うね。」



「うん。」



嗚呼なんだろう、この感じ。



相手の気持ちを聞く瞬間。

楽しみなような、不安なような
でも、やっぱりうれしくて

ちょっとはずかしい・・・・・。



はじめて味わうこの感覚。


でも、これだけは言える。





嫌じゃない。

むしろ、心地いい。