「なんで?
なにしてんの?」
「待ってた、の。」
少し顔を赤くして続ける。
「辰くんが帰ってくるの、ずっと待ってたの!」
「え・・・!?」
なんで・・・??
いや、あんまり質問攻めにするのも、なぁ・・・・。
岡本と表札がかかれた塀の前でまだジャージ姿の美亜。
ってことは、
部活終わってから、ずっと・・・!?
「どんくらい待った?
ごめんなぁ。けっこう待ったよな。
寒くなかった?」
「辰くん、今5月だよ。
全然寒くないってば。」
「そっか;」
俺の焦りブリをみて、クスクス笑う美亜。
美亜だ。
その、控えめで、でも楽しそうな笑い方は。
久しぶりの、美亜の笑顔。

