「時間だな」


俺は双眼鏡をリュックに仕舞い、任務の準備をした。

相棒も俺の行動を見て、ライフルの準備を始めた。

準備が終わり、俺は相棒と最終確認を行い、待機場所に向かった。


「ウルフよりイーグルへ。
標的に変わった動きはあるか」


俺は通信機の確認と現場の状況を確認した。


『………ありません』

「了解」


俺は腕時計を見て、時間を確認した。

0153時だった。

しばらくして、目的地であるマンションの二階、階段と通路の間に到着した。

標的の住む部屋はここから10メートルほどの位置にある。


「ウルフよりイーグルへ。
待機場所に到着した。イーグルの合図でいつでも突入できる」

『………了解』


俺は標的の部屋を見つめた。

相棒の時計が0200時になると同時に合図を出す。

その合図で俺は標的の部屋を破り、捕獲する。


この作戦にしたのには理由がある。

・相棒の時計で行動するのは、スキを作らないためである。

・俺が扉から潜入するのは逃げ場をベランダ以外に作らないためである。

・相棒がベランダを監視することで麻酔銃での捕獲、または追跡が可能なためだ。


俺は相棒の合図があるまで、心を落ち着かせていた。

この瞬間だけは、500年経っても未だに慣れない。


『ウルフさん………時間です』

「了解」


俺は相棒の合図で標的の部屋へ向かった。