―――『ヘブン』国内

俺は新たな相棒『イーグル』と共に、任務に着任した。


<任務>(要約)
『ヘブン』国内に滞在する『西条ヨウ』を捕獲する任務
場所:『ヘブン』国内
時間:0200時より開始


『G』議長隠密部隊が人を捕獲する任務に着任するのは珍しかった。

たぶん、俺にとっては初めての任務だろう。

どんな奴なのかは知らない。

だが、そんなことはどうでもいい。

すぐに仕事を終えて、帰宅したかった。

家に帰れば、ボトルに入ったウィスキーを飲んで酔いつぶれるだけだ。

そんなことを考えていると、隣に座っている相棒が小声で話しかけてきた。


「ウルフさん………
そろそろ時間ですね」

「ああ」


俺は標的の住むマンションを双眼鏡で眺めながら答えた。

標的の『西条ヨウ』は部屋を暗くして寝ている。


「あの………」

「なんだ」

「………なんでもないです」

「それなら黙ってろ」


俺はイライラしながら答えた。

『ホーク』の後任者がこの『イーグル』だが、仕事以外では話したくなかった。

狙撃の腕は良いのだが、話が合わない。

相手に意見を言えない奴ほどイラつかせる奴はいない。

だか『俺の状態』と『相棒の性格』のおかげで、この部隊は奇妙なバランスを保っているのも事実だろう。