はぁ、はぁ、 梓紗はさっきのことを思い出しながら、 縁側に座った。 泣きたかったが、気配を感じていたので 泣けなかった。 この気配はいつも感じていた。 「誰ですか?」 いつもの凛、とした声で暗闇に問いかける。 しかし待っても返事は返ってこない。 「そこにいるんでしょう?」 と屋根裏を見上げた。