『………宇佐美?あぁ、あの頭がいい子でしょ?』


『友達じゃないの?』


『えー宇佐美さんとうちらじゃ友達になれないでしょ。だって超優等生だよ、宇佐美さんって』



頭は昔から良かったけど勉強ばっかりしてるガリ勉ではなかった。

むしろ小学生の時なんて男女問わず友達がいっぱい居て、休み時間には俺の手を引いてドッジボールばっかりしてたっけ。


まぁ、中学の後半からは交友関係も控えめになったけど、高校に入ってから宇佐美が友達と一緒にいる所を見た事がない。

そんなの本人の自由だけど、それでも俺はモヤモヤしてる。



『あー、でも宇佐美さんってさ』


いつか話せばいい、いつか言いたい事を言えばいいと思ってたのに



『今月中に転校するらしいよ』



--------------ドクンッ……と俺の心臓が鳴った。