ピシリッ
そんな錯覚のような音が聞こえたような気がした。
空気が一瞬でピリッとしたのがわかる。
・・・っ
怯みそうになる。
けど怯むな私。
大丈夫、だから。
そしてそのピリピリとした空気に振動として音が広がる。
正確には、声、なんだけれども。
「それだけは、ダメだ。」
キリッとした瞳で言われた。
「なん、で」
そう返ってくるのはわかってた。
だからすぐにまた声がでた。
「危険だからに決まってるだろ。」
っ、
なんだなんだよ、
なんでもお願い聞いてくれるって、いったじゃん。
いつまで私は狩りに出れないんだろう。
いつまで私は不安な夜を過ごさなければならないのだろう。
いつまで私は爽哉の足手まといなんだろう。
「っ・・・」
そう思うと涙が溢れてきた。
悔しい、悔しい・・・。
「ゆり、な?」
爽哉が私の顔を覗き込む。
私はその爽哉をぺっぺっと払いながら自分の手で涙をぬぐう。
「っうう」
声さえも我慢できない自分の弱さがうざくて吐きそう。
「ばか、ばか・・・」
私がそう言っていると、溜息が聞こえた。

