「目、閉じろ・・・!」
爽哉が叫んだの。
私はその時、は?って言った。
馬鹿みたいな声でね。
私は訳わかんなくて、
爽哉のスニーカーの合間から見える光景に、
ドクン、
心臓が打ち抜かれたみたいな感じがしたの。
・・・私達が見たのは、
4人が倒れてる姿。
首筋に二つの穴が空いてて、
その身体は真っ青で。
全てを、吸われた・・・、
私はそれが頭に瞬時に入り込んできてさ。
私は勝手に声が出た。
「イヤァァァァッ・・・!!」
て。
ほんと、思うけど、
自分でもわかんないの。
何で声出たかとか。
よくあるでしょ?
サスペンスドラマかなんかで、
死体見て叫んじゃう女っているじゃない?
うるさ、とか思ってたけど、
やっぱ目の前にすると、ヤバいね。
頭がパニックになって、
声出すしか出来なくなっちゃうの。
その時は、爽哉が私を抱きしめてくれたな。
爽哉も、パニックだったはずなのに。
それから下山して救急車呼んでさ。
警察も来て、殺人事件として扱われてるけど、
犯人なんて出てこないよ。
犯人、人間じゃないんだし。
いつか、時効になる。
ある程度落ち着いた時に、
遺言書が届けられた。
存在すら初めて知った弁護士さんに。
「中の内容は、
これからの生活や、遺産の相続等が書かれています。」
そう言われた。

