「やばくね」
次の日、日曜日だ。
私がこんこんに電話をかけ、
昨日のことを事細かに話すと、
こんこんは先程の第一声をもらした。
「ですよね」
「やばいですよ中川氏。」
「ええ、私も同感です近藤氏。」
何だがテンションがおかしいのは気にしない、
するーだ。スルー。
「えわ、
まじか、
告られたかー。
しかも手ェ出されてない、不思議。」
こんこんはそう言って電話越しに、うーん、
と唸っている。
「手、出すとか、
そんな人じゃないよ」
「あ、そーなの?
猫被ってるとかじゃなくて?
ロールキャベツくんじゃなくて?
リアル紳士なわけ?」
スパスパくる尋問に少しひるむ。
よく息もつかずにそんな一気に喋れるなあ。
「うん、
た、多分。」
「多分じゃん!」
「いや、でも超夜だったんだよ?
映画終わってから11時すぎてたんだよ?
フツーならそういう雰囲気を男なら、
自ら作り出すけど一切なかったんだよ?
まじ中学生かっ。」
私もこんこんに負けないくらい喋ってる気がする。
まあ気にしない。
「あっそー・・・。
じゃ好きなの?」
「え、」
「そんないい人なら取りあえず付き合えばよかったじゃん」
「え、私もう19になるしさ、
そんなかるーくは・・・」
「はあ?
まだ、19だろ!
まあ24くらい越えたら付き合いも考えるもんだけどさー・・・。
今はよくない?」
「うー」
いや、そういうことじゃないのだ。
私は年齢より大きな壁がある。
大の親友にも言えない、
私の特殊能力。
これがある限りは、私は・・・、
色々考えちゃうよ。
「まあ別れ際のセリフ的にゴリおしされるのは間違いないね。
一時の感情には流されんなよ!」
「うー、
わかってるよー」
「うむ、
じゃあ何かアクションがあったら報告よろしくねー」
「わっかりましたあ」
私はゆるーく返事をして電話を切った。