ジュンくんが振り向いてくれて少しほっとした。
「あ、の、
返事、今するから」
私はジュンくんの目を何とか見ながら言えた。
「え・・・」
ジュンくんは驚いたような表情を見せた。
私の答えはもう決まってる。
ずーっと昔から、決まってる。
もう、19になるから。
「ごめんなさい。」
私はぺこりと頭を下げた。
しばらく、顔が上げられなかった。
ジュンくんは、どんな表情を、
今しているのかな・・・?
本当に、ごめんなさい。
私は、結界師として頑張らなけらばならない。
だから、恋愛にうつつを抜かしてる暇はないし、
私みたいな特殊能力をもった女は重い。
付き合っていたらいずれはバレるようなことだし。
バレたらまずいし。
無理だ、本当に恋愛は。
「そ、っか・・・」
私の頭上から声がした。
その声を聞いて私はくっと少し唇を噛む。
罪悪感・・・。
「顔、上げて?」
優しい声だった。
私はその声に促されて徐々に顔を上げた。
目に映るのは笑顔のジュンくん。
・・・?
「君の気持ちはわかった。
けど、僕はそんなにすぐに諦められるような人じゃないから。
僕、本気だからね。
覚悟しててね、ゆりな」
最後に言った私の名前に、まるで音符がついているようだった。
「じゃあね、
また今度」
そう言って今度こそジュンくんは手を振って私の前から去って行った。
・・・。
・・・う、わあ。
私はしばらくそこで立ち尽くしてしまった。
か、覚悟しろって・・・
う、うわああ。
絶対にこんこんに電話しよう、
そう心に決めてバスロータリーに向かって歩き出した。

