「おー、ジュン、
今日も来たのかー」
中に入るとフレンドリーな雰囲気の店員さんが話しかけてきた。
どうやら本当に常連みたい。
「なんだ?
今日は彼女も一緒なのか?」
ういういー、と店員さんはジュンくんを小突いている。
私はなんだかこの場所にいるのがいたたまれなく思えてきた。
「別に僕はいいけど彼女には失礼ですよ。」
少しムッとした顔をみせ、店員さんをはらったジュンくん。
え・・・。
ドキッ、
・・・不覚にも、心臓が大きくときめいてしまった。
「ほら、空いてる席はどこですか?」
ジュンくんはそう店員さんに投げかけ、
席を案内してもらった。
やば、顔熱いな。
・・・っ、何をときめいているの、私。
今のはただの社交辞令でしょうが。
そうだ、あんな風に言われたら誰でもああいう風にかえすでしょ、うん、
そう、そうです。
私はそう言い聞かせて席に座った。
「何にする?」
ジュンくんはメニューを広げてくれる。
「えーっとー・・・」
私は平然を装いながら、考える仕草をとる。
あー、どれがいいのか全然わかんない。
ふとジュンくんを見ればニコニコしていて、
もう決まっているようだ。
「ジュンくんのオススメは何?」
私はそう尋ねた。
「え?
あー、僕が好きなのはこれかな。」
ジュンくんは綺麗な指でメニューをとん
、と叩いた。
うん、どれもよくわからないからコレにしよーっと。
「じゃあこれで。」
私はジュンくんにそう言ってメニューを閉じた。
間もなくしてジュンくんが注文をし、
私たちは料理がくるのを待った。
待っている間は適当な会話をかわす。
「そういえば、今日の映画のタイトルはなに?」
私は重要なことであるのに、すっかり忘れていたそれを聞いた。
そうすると、ジュンくんはえーっと、
と言いながら鞄を漁り始めた。
そして封筒をとりだし、
そこから二枚の映画のチケットを取り出した。
えー、とタイトルはなんだ?
私はチケットを自分の方に引き寄せた。

