唇にキスを、首筋に口づけを



「彼氏とか、さ、」



そう言うと、爽哉は視線を少し逸らした。



え・・・っ。




「か、か、彼氏!?」



え、えええ、


まさか爽哉がそんな風に考えていたなんて・・・。



「いるわけないじゃん・・・!


この私だよ・・・!?」




「怪しい。」



「いや、本気で。


悲しくなるくらいそういう浮ついた話は一切ないよ。」



私は苦笑いした。



あ、なんか自分で言ってて悲しくなってきた。



本当に、人生で彼氏とか、一生つくんないんだろうな、私。



「そうか。」



爽哉はふーん、という感じで頷いた。



「ん、じゃあそういうことだから。


行ってきます。」



私は敬礼するようなポーズをとりながら言った。



「おう」



爽哉はニッと笑った。



私はサンダルを履き、家を出た。




・・・今日も暑いなー。



もう夜になるのに。



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待ち合わせ場所につくと、ジュンくんの姿が、見えた。



何もしないでキョロキョロしてる。



私を、探してるのかな。



待ち合わせ時間まだ10分前だよ?



可愛いな、同い年だけど。



私はバレないようにジュンくんに近づいた。



「こんばんは」



後ろから話しかけてみた。



するとばっと、素晴らしい反射神経でこちらに振り返ってきた。



「うわ・・、びっくりしたよ。」




ふー、と胸を撫で下ろすジェスチャーを見せるジュンくん。



「へへ」



私はジュンくんの様子を見て嬉しくなった。



「じゃ、行こうか。」




「うん!」



私は歩き出したジュンくんの横についていった。



他愛もない話をしながら歩いていたらいつのまにかお店についた。




「ここだよ、僕の行きつけのお店。」



ニコリ、笑った背中見えたお店。



わあ、おしゃれ。




看板の照明のあたり具合が、絶妙な雰囲気を醸し出している。



「入ろうか。」



私は圧倒されつつも、ジュンくんの後ろについて行った。