唇にキスを、首筋に口づけを




ショッピングセンターにて、




「何買いたいの?」




「新しい靴ー。


狩りようのヤツ。


前のヤツもうボロッボロだし」



ああ、確かにもう穴が開いてたりしたかも。




靴の専門店でよさ気なものを物色していく。




「デザイン性と機能性・・・



だったら機能性だよなー」




「うん、


軽いヤツがいいねー」



私達は登山用の靴のコーナーを見る。




「あと防水?」




「それ超大事。


水入って足から冷えてったら死活問題だかんね。」



うーん、うーん、と吟味していく。




そして10分くらい考えて決めた。



「こっちにする。


ゆりなもこれでいいと思うか?」



爽哉が持ち上げた靴。




値段ははるけど、

かなりものはいい。


長持ちしそうで機能性も抜群みたいだ。



だけどデザイン性にはかけるし、少し重い。




けど滑らない加工もしっかりしてあるし、水は絶対はいらなさそう。





まあ、デザインか機能だったら機能を絶対選ぶし、


軽いけど少し滑る、より絶対滑らないで少し重いなら、

少し重い方を選ぶ。



「いいと思う」



私は笑う。




すると爽哉が満足したように頷いた。




「じゃあ買ってくるなー」




爽哉はそう言って軽い足取りでレジに向かって行った。




そして数分して、


袋を抱えた爽哉が戻ってきた。




表情はかなり笑顔。




「ニヤニヤしないでー」




「ニヤニヤ!?


やべ、無意識ー・・・」




「怖いー」



私達は軽く笑って店を出た。




「これからどうする?」




「んー・・・。


したいことはないかな」




考えてみたけど、あまり思いつくことはない。




「じゃもう帰っちゃう?」




「それでもいいよー?」




「帰るかー」



うん、と私達は続けて駐車場に向かった。




簡易的な横断歩道のラインがひいてある。




車がいないことを確認して私は足を前に進める。




私はぼんやり、少し上を見ながら歩いてた。



その時、



「・・・?」




見覚えのある横顔が私の視界に入った。



フワッという感じで。



けど、すぐ視界から出て行った





颯爽と。




私は咄嗟に足をとめた。




あれ、今の人・・・。




私は目線を下に向けつつ考えこむ。




・・・黒髪、短髪・・・。


チラっと見えた瞳の色は紫だった。




「!」




ピン!そんな音が聞こえそうなくらい、私は閃いた。




私は自分の鞄の中にあるハンカチを見た。



あの人・・・!



前に私を助けてくれた人・・・!




に私はあの人に会うことをほんの少し期待してハンカチを持ち歩いていた。




私は反射的に後ろを向いた。