唇にキスを、首筋に口づけを



コンコン、と1つノックをする。



すると、

はい、と高い声が聞こえた。



娘だ。



俺はガチャリとドアを開ける。




「お初にお目にかかります。


本日お招き頂いた、ジュン・ラウド・ウイットと申します。」



俺は深々と頭を下げてから、顔を上げる。



そしてじっくりと娘の目を見る。



紫色の瞳、ウェーブのかかったブロンドのロングヘアー、小柄で華奢な体型・・・。




「こんにちは。


シェリー・ストーンよ。


シェリーって呼んでね、よろしくジュン」



そう言うと俺にニコリと笑いかけた。




部屋の中にはメイド達もいる。




娘が彼女らに目配せすると、メイド達はそそくさと部屋を出て行った。




バタン、と閉まる音。




そして互いに目を合わす。




・・・



「おい」



俺は目の前の女に呼びかける。



すると娘はん?と眉を顰めて俺を見る。



そして一拍、時が流れて、



「何かしら」




娘は至って落ち着いた様子で応答した。




俺はその表情に違和感を覚えた。




「花婿候補ってやつ、

俺除いて何人いんの」




俺は脅しかけるかのように話す。




疑問系なのに、肯定文みたいに抑揚のない喋り方。


感情なんて含まれない。




「・・・そう、ね。


多分・・・10人くらいかしら」




彼女は俺に笑いかける。



俺のこの態度の変容にも怯んでいない。




やはり、違和感。



「・・・はっ、


国王の一人娘ってもんは大変だなぁ


見ず知らずの10人の花婿候補とは・・・。



10人いるんだ、俺以外から選べよ。



国王の娘との結婚なんてごめんだ。」




完全に突っぱねた。



俺のパーソナルスペースに入ってくるなとオーラを醸し出す。



すると物音がした。



くくく、という不規則な音。


何だ?



と俺は振り返る。



すると、

すぐに気づく。




その奇妙な音が、娘の笑い声であると。