唇にキスを、首筋に口づけを




私はエンジンをふかしていつもの狩場へやってくる。


少し仲間たちと顔を合わせたらすぐに狩りを始める。




はー・・・


集中しろ。



襲いかかってくるヴァンパイアども。



本当はこいつらも、本性はいい人なのかもしれない、
とか。


しょうがないよね、ヴァンパイアだって、生きるために、血が必要なんだから。

とか。


私たちはヴァンパイアだったとしても、生物の命を奪ってしまっている、とか。




考えてるんじゃないよ、自分。



あくまでも、

私は狩人。


ふざけるな、人類を脅かそうとしているのは、
このヴァンパイアたちだ。




私はそう考えながら、

剣を振りかざす。



けどいつもよりも集中していなかったか、

なんと空振りしてしまったのだ。




「・・・!」



クルっと振り返って襲いかかってくるヴァンパイアの牙が、


どうもクローズアップされる。




・・・いやだ・・・!!



頭の中に幼少期から今までの映像がぶっ飛ぶように流れる。



そして最後に思い浮かんだのは。


出際のジュンの顔。



いやだ!!!


「はっ・・・!!」



私は咄嗟に強い結界を張る。



すると、


以前みたいなことが起こった。



ヴァンパイアが砂になって消えた。



・・・あ。




私はふと、自分の鎖骨に目をやる。



角度的に、あまりよく見えないけれど。




ジュンの、魔除けで。




・・・なんで自分のピンチに、死ぬかもしれないときにジュンの顔なんか。




・・・違う違う違う、


ただの気の迷い。



・・・けど、


家で待ってくれてる人がいる。



私の帰りを待つ人が。




・・・爽哉も こんな気持ちだったのかな。



残される方も、すごく辛かった。



けど、


行く方も、すごく苦しい。



待ってて、ジュン。



すぐ帰るよ。



別に、あなたに会いたいなんて、思ってないけど。