バン!!!!
そんな何かが壊されたかのような音がしたのは。
振り被るナイフが私の目の前で止まる。
バッ、
私たちは一斉に振り返る。
何かが壊されたかのような音、
ではない。
本当に、壊されていた。
扉が。
え・・・
嘘でしょ・・・。
私はしばらく動けなかった。
彼の声を聞くまでは。
「何やってんだこのアホヴァンパイアが。」
そんな声に、聞き覚えがあってハッとする。
なん、で。
どうしてこんなところに・・・?
ジュン・・・が、いるの?
この時、私は少し安心してしまった。
彼が、私を助けてくれたのではないかと。
魔界で、私が混血ヴァンパイアに襲われかけたときのように。
だめだ、
私は彼を信じてはならない・・・!
もしかして、奴らの仲間かもしれない
こいつが主犯だったりするの?
私は彼を疑ってかかって、私の心臓はどくどくと蠢く。
「・・・おやおや、
これは貴族階級ともあろう貴方様が、どうしてこんなところに?」
「それはこっちのセリフだ。
まぁお前たちは悪徳を働かせていたのは薄々感づいていたが・・・。
今回ばかりは見過ごせないな。」
コツコツと、近づく音。
こいつ・・・主犯では、ないの?
わからない、まだ疑わしい。
そして一人のヴァンパイアがジュンに襲いかかる。
するとその両手を掴み上げ、蹴り飛ばしてしまった。
襲いかかっていった方のヴァンパイアは壁に飛んでいき、壁が凹んで壁の破片がパラパラと落ちている。
そして、そのヴァンパイアは動かなくなった。
私は思わず声を上げそうになった。
・・・強い。
「てめぇら、やれ」
ナイフをもつヴァンパイアが取り巻きたちに指示を出す。
そんな!それはいくらなんでも危ない・・・!
5〜6人を一人で・・・!?
それは不可能だ・・・!
・・・なんて
私が思ったのは杞憂だった。
なんてったって、
ヤツは一瞬で襲いかかってきたヴァンパイアたちを薙ぎ倒していったんだから。
断末魔が、響く響く。
辺りは死体の海と化す。
「最後はテメェか。」
ジュンが私を掴んで私の首にナイフを当てているヴァンパイアに近づく。
「・・・いいのか、この女、殺すぞ。」
少し、その声は焦っていた。
するとジュンは笑い出した。

