唇にキスを、首筋に口づけを




私はそれからは毎日のように狩りに出た。

そして何度か危ないシーンもあったし、撃ったのに取り逃がすとか、そういうこともあった。


命中したのに取り逃がすのが一番辛いことだ。



着々と結界師、そして狩人としての力が伸びてきている。



そしてある日の夜8時くらいであったか。



さぁ、狩りにいく準備をしよう、と普段着から着替えようとしたその時であった。



purupurupuru・・・


私のケータイの着信音が響いた。



知らない番号だ。


ん、と私は反応して電話をとる。




「はい、中川です。」

もしかしたら狩人の仲間も、なんて思いながら丁寧に電話を取った。



「・・・ゆりな・・・!」



聞きなれた、女の子の声。


とても、涙声で、ヒステリック。



え・・・


私の心は一気に収縮して、電話の声に神経を集中させた。



「・・・こんちゃん?」



叫びたいのは山々、けれど冷静に対応した。



「・・・そう、助け・・いや!やめて!痛い・・・!!「助けを請えって言わせるために連絡とらせてんじゃねぇんだよ!」



電話の裏で男の声と思われる凶暴な声がした。


え、なに、何が起こっているの。


もしかして、誘拐?
誘拐なの?


どうしようどうしよう。


なんなの、どうして私に連絡が来るの?



「すみません、はいごめんなさい・・・」


受話器越しに鈍い音がして。


殴られてる?

やばい、本当やばい。



「ゆりな・・・あのね、なんか・・・


ゆりなに一回、殺されそうになってて、とか意味わかんないこと言ってて・・・

それで、すぐ、来いって・・・」



殺されそうになった?


・・・やばい、相手人間じゃないやつだ。


どうしよ。こんちゃんが私の友達ってどうしてわかった?



・・・もしかして純血?


私が一回取り逃がしたやつ・・・?

身分高い奴らで私のこと調べ上げた?



・・・状況がよめない。


向こうは何人いる?


私1人で乗り込めるか?



でも他の狩人はこれから狩りだ。


・・・だめだ。



「・・・ゆりな、一人で来いって・・・

来なかったら、私を、殺すって・・・」



声がカタカタと震えてる。



仕方ない、警察を呼んだところで解決するものでもない。


相手はヴァンパイアなのだから。



「場所は?」


冷静を装う。


「・・・ビル・・・サンライトビルの、5階」



・・・あの廃屋か。



・・・バイクで30分といったところ。



「すぐ行く。

すぐ助けるから、待ってて!!」



私は一丁拳銃を突っ込み、またナイフを鞄に入れて家を飛び出した。