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朝日がカーテンの隙間から漏れてきた。
朝だ。
ふと、俺の目の前にいる愛おしい女が、
んん、
と寝ぼけた声を出す
目を細く開けて、そして段々開いていって。
その、クリクリとした瞳が姿を表す。
「・・・おはよ」
俺は小さく言う。
俺がそう言うと、ゆりなはハッとした表情を見せる。
そしてゆりなは布団で隠れる自分の姿を
確認したかったのか、
布団の中を見た。
そして更に目をひん剥いたが、
すぐに落ち着いた表情を見せた。
「・・・
服、着る。」
そう言うとゆりなは俺に背中を向ける。
ああ、見るなってことか。
俺はボケーっとしながら、ゆりなの背中を見ていた。
漆黒の艶やかな髪をフワッと靡かせる。
その黒い髪が、白い背中を際出させて。
小さい、背中だ。
そして彼女は下着をつけ、長めのTシャツを着て、
下にはおそらく下着しかはいてないだろう。
「水飲んでくる。
あんたも飲む?」
ゆりなは俺に背中を向けながら言う。
顔がみたいな、
そう純粋に思った。
「あぁ、頂こうか。」
俺がそう言うと、なんの返答もなしにゆりなは部屋の外に出ていった。
一人になった俺はふぅ、と息を吐く。
普通なら情事の次の朝は、幸せに満ち溢れているのだろうに。
まぁ、そんな体験したことがない。
最近のクズ生活では向こうの女が朝起きると大変うざったく絡んでくるので相手が起きる前に自室に戻るようにしていた。
俺は、俺はなんだか少し、幸せな気持ちだったんだが。
ゆりなの寝顔が見れて。
けれど何か違った。
なんだか、
淡々とした作業の後のような、
ただ、疲労した、というような、
そんな雰囲気で。
二人の間の空気はパリっとして。
やはり、二人の気持ちが二人の中にないからだ。
俺は虚無感に襲われた。
そして俺はズボンだけを履き、ベッドから下りた。
そして乱れたシーツをみて。
愕然とした。
・・・
真っ白かったシーツが、
一部赤く染まっていたから。
俺の体液ではない。
彼女の・・・ゆりなのもの・・・。
・・・ドクン
俺の心臓が大きく揺れた。
・・・俺は、
とんでもないことをやらかした。
取り返しのつかないことを。
俺はその場でガタガタと震えてしまった。

