爽哉の体が、
貫かれていた。
心臓の付近を、穴が、空いてるの。
え、
これは、これは・・・
幻想だ、夢だ。
悪夢だ。
夢なら覚めろ。
私は自分の頭をガンガン叩く。
さめろ、さめて!!
「応急処置を・・・!!」
「俺は救護班に連絡する!」
結界師の女性が止血道具を準備して、
私を助けてくれた狩人がトランシーバーで話し始めて。
なんだか、鼻をかすめる血の香りが、
現実なような、気がして。
嘘だ、夢だ。やめて・・・!!
「爽哉・・・!!」
それでもなんだか私はこれが現実だと、頭の中では思ってて。
爽哉の頬に触れる。
爽哉は微かに目を開く。
私はそのとき泣きそうになる。
「爽哉、お願い、
生きて・・・
一人にしないで・・・
爽哉・・・!!!」
私は涙声になりながら訴える。
爽哉はゆっくりと口を開いた。
震える身体で。
「ごめん・・・、ゆり、な・・・。」
その声はとても小さくて、顔を寄せないと聞こえなくて。
私は爽哉に近づく。
「もう、俺は、ダメかもしれない・・・。
先に、逝くことを、許して・・・。
お前一人でも・・・生きて欲しい・・・。
それが、俺の、願い・・・」
そして爽哉はまた息を荒げる。
「やめてよ、死ぬなんて・・・!
言わないで・・・!」
私は爽哉に叫ぶ。
そして爽哉は私の顔に手を伸ばす。
ガタガタと、震えている腕で。

