ゆりなが落ち着いてきたところで、俺は腕を離した。
「ゆりな、暫くここで隠れていられるか。」
俺は、戦いにいかねば。
ゆりなの結界が今つかえるかわからない上に、
今、ゆりなは精神的にも肉体的にも疲弊してる。
ゆりなを会長の目の届く木の陰に預け、
俺は立ち上がる。
「・・・待って!!」
ソプラノの、俺のいつも聞いてた、声。
俺はその声に反射的に振り返る。
「私も、戦える。」
そういったゆりなはキツく唇を結んでいた。
そう言ったゆりなの背後にはヴァンパイアが潜んでいた。
俺の動き出しが遅すぎた。
やばい・・・!!
俺はその瞬間がスローモーションに見えたほどだった。
その時だ。
「ハッ・・・!!」
ゆりなが、すごい力を発揮したのは。
・・・え。
俺は目をひんむいた。
確かに、ゆりなは結界を張った。
しかし、いつもの魔力とは比にならない。
「・・・今のは・・・」
俺は思わず声が出た。
ゆりな自身も驚いているようだ。
なんて言ったって、結界でヴァンパイアを消滅させたのだから。
キラキラと、砂になるように、ゆりなに襲いかかろうとしたヴァンパイアは消えた。
俺が立ち尽くしていると、ゆりながフラッと倒れそうになる。
俺は慌ててそれを抱えた。
「今の・・・よくわかんないけど、
すごい体力つかう、みたい」
ゆりなは息を荒げていた。
俺は息を飲むしかなかった。
ゆりなに、一体何があったのだろうか・・・。
今はそんなこと考えてはいられない。
ゆりなを安全な所に連れて行き、
はやく仲間の援護をしなくては。
ゆりなを抱き上げて小屋裏に隠し、俺は走り出した。
〜爽哉side end〜

