唇にキスを、首筋に口づけを



「だが、なぁ・・・」



うーん、と皆が考えるような声が耳を通り抜ける。



駄目、なのか。





「そんな、一人の我儘で俺たち全員を犠牲にするつもりか?」



それは、とても鋭い声だった。



我儘・・・



確かに、そうだ。




俺の我儘でしかない。



それだけのために、狩人や結界師を犠牲にしていいのか・・・?



俺が我慢すれば、それで、いいんじゃないか?



けど、でも、それでも・・・!!



我慢なんて、そんな言葉だけで片付けられない。



俺の感情の一存になってしまう、けど、だけど・・・!




「お願いします・・・!!

俺自身の犠牲はいくらでも払います!

魔界に飛び込む勇気だって、俺はあります・・・!」



俺はひたすらに頭を下げる。



「そういわれてもな」


「まず魔界に入れなければ駄目でしょう」



「それは君一人の勇気という問題で片付けられるものではないのだぞ。」



そう、口々に言われる。



やはり、ダメなのか。


くっ・・・俺は下唇をこれでもかと噛みしめる。




その時だ。



「内田くん。」



そんな、一際透き通る凜とした声が響いたのは。