唇にキスを、首筋に口づけを




―爽哉side―




ぶっちゃけると、

ゆりなには嘘をついた。




土砂崩れなんて遭ってないんだ、本当は。






―――・・・俺はいつものように家を出て、他の狩人と合流したんだ。





主に結界境線の境目にヴァンパイアは現れる。




だから、俺達はその辺に行った。




やはり、今日もヴァンパイアは現れた。





俺達は、一人が首を狙い、


一人が砕きにかかるという連携プレーで着々と消していった。




「・・・っし、ナイスアシスト」




「お前もな。」





そんなことを言いながら3人を抹消したときだったと思う。





「・・・ッ、またきたな。」




「お前は背後を狙え、


俺は前方で気を引き付ける。」




俺達はアイコンタクトして、



また新たに現れた、



前方50メートル先に見えるヴァンパイアにとりかかったな。





俺は走った。




が、



気付かれた。





「・・・!?」





ブワン、と風が吹いた気がした。




そして俺とアイツとの距離が一瞬にして伸びたんだ。




・・・なんだ・・・!?

あのスピードは・・・!




やっべ、超はえぇ。




俺は思わず口を押さえてしまったと思う。




「・・・おい!



アイツやべぇスピード!



パッと見で時速200キロで走ってんぞ・・・!」




俺は後ろにいる仲間に叫んだ。





「やべぇな、



バイク使うぞ!」




俺達は近くに繋いでおいたバイクに乗り込んだ。




ブウン、とエンジンの音がして。




よかった、ここが真っ直ぐな道で。




なんて思っていた。




俺は地面を蹴り上げた。





風が耳の横を擦るように抜けていったのが少し気持ち良かった気がする。




よし、追いついてきた。





作戦変更、




前方にはまわれなさそうだから、


後ろから首をへし折ってやる。





そう思いながら、


俺は片手でバランスをとりながら太股にさしてある銃をぬいた。




――――パァンッ!




引き金を引いた瞬間、



音が響いた。