唇にキスを、首筋に口づけを




家に着くなり、俺はパソコンを開く。



ヤツのアパートの写真、

血痕の写真。



この証拠を得るために行なったことを具体的に書き表して信憑性を高める。




これらの証拠から、
ヴァンパイアがゆりなを攫ったと位置付けた。



・・・ま、偽装工作は一つした。



ゆりながいつもつけていたヘアピンを買い、

それを少し汚してアパート付近に落ちてあったということにしておいた。



よし、


と俺は送信ボタンを押す。




30分後には、


狩人のリーダー的存在の狩人から返信が来ていて、

今日早速狩の前に会議が開かれることになった。





____________




「そうや、
よく見つけたな、証拠を。」




俺の同期が、皆が集まる前に話しかけて来た。




人一倍正義感に強く、俺もこいつの腕は認めてる。




「ああ、

結構苦労したけどな。
ゆりなを助けるためだ。」



そうか、なんて奴は目を伏せた。




そしてまた話を切り出す。




「聞いたか、
今日、

狩人の会長と結界師の会長も来るそうだ。」



「会長?」




「ああ、

若い頃は敏腕として有名だったそうだな。」




「会長か、あったことねぇな。」




そんな他愛もない話をしていると皆がゾロゾロと集まり始めた。



他愛もない話なんて、してる場合じゃなかった。



これから俺の重大任務が始まるんだ。



結界の不思議、


人間が通れるか否か。



実験も含めて、



ゆりなを助けに行くんだ。




俺の、大事なゆりな。




それの今日は会議だ。



ヘマは許されない。




俺の緊張感がビシビシと体に糸が広がるように張り詰めていく。







そしてバイクの爆音と共に、

会長らしき人物がやってきた。




ブオン、とエンジン音。



ヘルメットをはずすと、どんなおじさんがいるかと思いきや、




おじいさんだった。






え・・・。




度肝を抜かれた。



・・・まじ?





そんな、とし食ってんのかよ。




俺は目を見開いた。




皆挨拶をし、深々と頭を下げている





俺も咄嗟に頭をガバッと下げる。