唇にキスを、首筋に口づけを




後日、俺は不動産屋に足を運んだ。



105が空いたなら、


俺が客としてヤツの住んでいた部屋に忍び込むことができる。



何かの証拠を掴もう。



無理なら作り出すんだ、証拠を。



年長者たちも、どうせ大して見ないんだから、拙速なもので十分なんだ。



ただ、証拠が必要なだけだ。




不動産屋にあのアパートの最寄り駅を伝え、
そして最も安い、

という条件をつけたら、ジャストあのアパートを紹介された。




そして物件を見るフリをして中に忍び込む。




「日当たりもよくないですし、

築50年ですが、安さだけはナンバーワンですねー」



はははーなんて冗談っぽく言ってのける不動産屋。




俺は白い手袋を装着。




「その手袋は・・・?」




俺の異様な光景に驚いたのか、

不動産屋が聞いてきた。





「あ、すみません。


一応人の物に触る時はこのように手袋をつけるようにしているんです、


そうすればベタベタ触っても指紋がついたりしませんから。」




そう言って俺は隈なく捜索を始める。




そうですかー、

なんて不動産屋は感心している。




血痕とかあったら一発なんだけどな。




もう、どんなに小さな痕でもいいから。




出てこい・・・!




俺はそう念じ、ワンケーの間取りの物件を隅から隅まで見渡した。




すると




「・・・!」




俺は一つ、

赤黒い痕を目にすることができた。




・・・!!



みつけた・・・!



まじかよ、まじであったか・・・!



なかったら自分で適当に赤い絵の具垂らそうと思ってたけど・・・!




それはコンロにあった。




コンロの黒い焦げたそれだけでも微量な炭をどかすと、


赤い痕がひょっこりと小さく顔を出したのだ。




俺は不動産屋にばれないよう、そっと写真を撮り、



喜喜とした気分でそのアパートを後にした。




よし、


これをまとめれば、やっと・・・!




俺は急いで家に帰った。