唇にキスを、首筋に口づけを



アパートに着いてみると、


そこはなんとも薄暗い街灯の少ない場所にあった。



うわ、と俺は思わずその建物を見上げて顔をしかめた。




この女子大生もよくここに住めるな、といった感じだ。




「や・・・ジュンは・・・何号室に?」



思わずヤツと言いそうになってしまった。
グッと押し込めてヤツの名を呼ぶ。



「10・・・5?だったと思います」



ニコッと笑いかけてきた。



それどころじゃない。



ざっと見ると、



この建物は二階建て。



一階は二階よりも日が当たらない。



さらに窓は北向き・・・。



なんなんだこの物件は。




ヴァンパイアには最高の間取りだな。



俺はとりあえず写真をとった。




「・・・実家に帰るーって言ってました。」



実家に・・・。


魔界の可能性が非常に高いな。



「ありがとうございました。

ジュンの情報色々教えてくれて・・・」



そういって俺は頭を下げた。




「いえいえ・・・!

夕食どきですし、うちで夕飯でもいかがですか?」



そんな風にニコニコしてくる女。




悪いがそういうことはないって。



「すみません、
用事があるのでご遠慮させていただきます。」




そう淡々とつげ、また礼をして、


俺はまた話しかけたりなどしないようにサッサとその場を後にした。