夕方に、あの駅で別れた、と。
可能性が高いのはあいつ、
俺を狙ってるとかいう、あのヴァンパイアだ。
あいつは俺らの住んでいる地域を知っている。
そうだ、最寄りで別れたっていうならヤツがいてもおかしくない。
・・・女々しい奴だ。
ゆりなをつかって間接的に俺を誘き出すつもりか・・・?
ったく、直接俺にこいって話だ。
あいつの罠にまんまとハマるのは癪だ。
だけど、
ゆりなのこととなったら話は別。
あいつは、俺が守んないといけない、
俺の大切な人。
・・・
急いでバイクを出した。
まずは証拠。
俺は駅で聞き込みを始めた。
「すみません、昨日の夕方10代の女の子で・・・」
俺は地道な聞き込みで、いくつか情報を得ることに成功した。
『あー、見ましたよ。
男の人にお姫様抱っこされてあっちの方に・・・』
『あー、男の人に抱えられてて、
結構目立ってましたね。駅前でそういうことするわけだし。
男の人、すごくイケメンだったってこともあるし。ハーフっぽくって』
・・・俺を怪しまずに真摯に答えてくれる優しい国民性の日本人に本当に感謝だ。
・・・完全に、あのヴァンパイアだ。
あいつが、攫った。
そして、あっちの方に、と指した方は行く行く辿ると、まあ俺らが大抵行くショッピングモールがあって・・・、
地図をみて、ヤツが進んだ方向、
約100キロ先は山、そして森が広がる。
っち、くそ・・・!
ゆりなは、大丈夫だろうか。
・・・でもきっと生きてる。
ヤツの本当の狙いは俺だ。
きっと、危害を加えてはいないはず。
森、か。
森にいるのか・・・?
そんなことするのか?
・・・あの方向の森は・・・確か結界境線が露わに見える場所・・・。
・・・いやまさか。
とにかく確認だ。
俺はバイクを飛ばして家に帰る。
そしてパソコンを開いてあるソフトを開く。
結界の強さや広がり、結界境線の位置を表示し、
ヴァンパイアが集まりやすい場所をレーダーで表す狩人と結界師のためだけに作ったソフト。
「・・・ジャスト。」
もろ、結界境線がでけぇところだね・・・。
俺は急いでメールを飛ばす。

