唇にキスを、首筋に口づけを



それからビクビクと下を向いて歩く。




そうしていると、どうも聴覚が敏感に働くようになるみたいで。




「見て・・・!ジュン様がいらっしゃるわ・・・!」




「本当ね・・・!どうしたのかしら・・・!」





「なんて麗しいのかしら。」




「隣にいる女は・・・?」




「少し独特の香りがするわね・・・」




そんな風な女性のきゃーきゃーという黄色い歓声が聞こえてきた。



ふーん、人気なのね、女の人から。



ヴァンパイアの中でも美しい美しくないの優劣が出るんだ・・・。




どのヴァンパイアも顔は整っていると思うけれど。



てか、・・・独特、香り・・・って、



こいつの隣の女、私、だよね。




うわあ、こいつの隣を歩くとジロジロみられてあまりいい気分はしない。




そんなことを思いながら歩いていると、


前から掛けられた声なのだろう、
明るい声がした。





「よお!ジュンじゃん!」




私はヤツの足がとまったことに気づいて私も足を止めた。




「・・・久しぶりだな。」




・・・ヤツの温度の低そうな、いつもの声。



・・・あからさまな声ではないから、きっとヤツの敵などではないのだろう。




誰なんだろう、この声の主。




「誰だー?この隣にいるかわいこちゃん。

すんげぇいい香り・・・」




私の眼下に近づく黒い革靴。



・・・近い・・・!



私は反射的に一歩下がる。




すると私の目の前に腕が伸びた。




予測していない物体にぎょっと目を少し開いた。



どうやらヤツの手が目の前の男を引き離しているのだろう。




「あまり近づくな。」




そうツーンと言い放った。



すると見知らぬ男はスッと身を引く。



そうしていると、なぜか2人は談笑を始めた。




私は蚊帳の外で。




二人の視線に私が移ってないことに気づき、


やつにあまり離れないような距離で散策を始めた。



・・・魔界・・・。



ここって、実際どんな所なんだろうって。




ヴァンパイア以外に住人はいるのか、とか。



視線を向けていると、段々わかってくる。



フードを被っているのが、ヴァンパイア。



耳がおかしな形をしているのが悪魔。



とがった帽子をかぶるのが魔女。




その他半魚人とか・・・、全身緑のエイリアンみたいなヤツとか・・・。




とりあえず魔界はヴァンパイアだけじゃないみたい。




お店も、なんだか動物の肝臓とか・・・、


人間の血液とかをヴァンパイアが購入しているのをみた時は本当に怯えた。