馬の足音が、
私の命を削っていくような気がして、
耳を塞ぎたくなる。
なんだかものすごく嫌な空間だった。
私が肩に力を入れていると、
ふと隣のヤツの気配が変わったのがわかった。
・・・なに、なに。
私の心臓が焦燥して壊れそう。
「・・・お前・・・」
ヤツの気配と声が。
近づく。
なんだ、なんだ。
私は目を閉じた。
「・・・痕、」
塗り潰してるのか。
そう続いた。
私の首元に気配が走る。
うわ、絶対顔うずめられてるよ、首に。
私はうっすらと目を開けると、
・・・?
あれ、
顔、別にうずめてなかった・・・。
そのかわりに痕の上に触れる指。
そしてその指を一回黒くぬりつぶした所を撫でた時だ。
フッ・・・。
「・・・え・・・!?」
黒いところが、
剥がれるようにキレイになくなった。
・・・え!?
なにが起こったの・・・!?
その代わりに姿を表す紅い花。
っ・・・!
私はゆるりとそこから視線をはずす。
「それほどこの痕が嫌なのか。」
そう言う声がすごく低かった。

