唇にキスを、首筋に口づけを




クローゼットの溢れんばかりのドレスから、
1着どれにしよーかなー、なんて。



これにしよう、



そう決めて取り出したのは黄色のドレス。



そして手にもった時にハッとする。



あ・・・。



今まで気が滅入っていて、無意識に寒色のものばかり、選んでいたな・・・。



心が明るい暗いで着るものも変わるんだ・・・。



そう実感した朝だった。




着替えてソファーに座って足をパタパタさせながら待っていた。



何か持つものあるのかな。


ていうか、そういえば私の私物はどこにあるのかな、


バックとか、もっていたと思うのだけど。



きっと、押収されたまま。



ケータイとか、そういうもの。




・・・はぁ、

今頃人間の世界はどうなっているのだろう。




・・・大量虐殺とか行われていたらどうしよう、



・・・どうなっちゃうんだろう。




・・・今まで何も考えてなかったわけがない。




ずっと日にあたりながら無心なんてことがあるわけない。





ずっと恐ろしくて、人間の世界が心配で。



爽哉がどうなっているかなんてことも、何も知らない。




・・・生きていて・・・。




そう、私は願うことしかできないのだ。




そう思ってまた気が滅入りそうになっていたところ、


コンコンとノックする音がした。




「はい」




私は声の調子を整えてそう言った。



弱るな、私。



そう思って頷いた。



外に出れる大チャンス。




私は逃げることはできない、

逃げたいと思っちゃいけない。




もしかしたら、



私は死ぬまで軟禁された状態なのかもしれないけど、




私は爽哉を信じて待つしかない。




きっと爽哉も同じ。



心配、してて、一人。



そうだ、爽哉は一人なんだ。



私はまだ、この敵であっても隣に誰かがいて、

ごはんもって来てくれる人がいて・・・。



爽哉、ご飯どうしてるかな。



カップ麺だけで過ごしてないかな。




・・・大丈夫、だよ、ね。



爽哉、だもん。




そんなことを考えているとガチャリと扉が開いた。




私は即座に立ち上がる。




「準備は・・・できているようだな。」




そんな低い声がして。




あ、れ・・・?




こいつ、ちょっといつもと違う・・・?




すらっとしたパンツにキレイなシャツを着て、
マントを羽織って真っ白な手袋。

首元までつまった服・・・。


髪もしっかりとセットされている。




・・・なんか、むかついた。



いつもより麗しさがましていて、


・・・どうしてこんなに美しい生物がいるんだ、って。



むかついた。