「・・・そうか。」
そう言って奴は黙る。
客観的にみたら結構な沈黙が続いていたのかもしれない。
けれど、私は光を見つめ続けているので時間の経過はぼんやりとしている。
ぼーっとしていた時だ。
「今日、俺は街にでる予定があるんだ。
よかったら行くか?」
・・・。
ふわーっとしていた心になんだか物が置かれたような感じだった。
・・・え?
いま、なんと・・・?
私は光から視線をずらした。
・・・え。
「え・・・?」
私は聞き返した。
ほんとに、言ったのかな。
私は、幻聴まで聞こえてきたんじゃないだろうかとドキドキする。
「一緒に街に行くかと言ったんだ。」
ま、ち?
街って、街??
「それは、外に出れるということ・・・?」
私の心臓がばくばく言い出すのがわかる。
外に、外に??
ドキドキする。
日の光に当たれるのね・・・?
「行きます。」
私は飛び上がりたい気持ちを押さえ込んで、そう返事をした。
「わかった。
また呼びに来る。
着替えて準備をしておけ。」
そういった奴はバタンと部屋を閉めて去って行った。
私はその音をきいてからしばらく呆然としてしまった。
しかしあとあとになってジワジワと喜びがこみ上げ、
私はウキウキしながら支度を始めた。

