「は?」
ヤツがポカンと私の首から顔を離したのが見えた。
すると足音のようなものが聞こえた。
そしてすぐにガチャリと開き、廊下からの光が差し込んだ。
「どうかいたしましたか、ゆりな様。」
すました顔で聞いてくる執事のミラ。
私、ミラさんしかここの屋敷の人の名前しらないから。
しょうがなくミラさんを、
いや、しょうがなくっていうのは失礼ね。
「・・・ミラさん!助けてください・・・!」
私は組み敷かれた状態で訴える。
「・・・!」
ミラさんが目を見開くのがわかる。
「ジュン様・・・!
なりません、そのように女性を無理矢理・・・!」
べり、と私から奴を引き剥がした。
よかった、ミラさんは良識ある方であった。
「ったく、
ミラ、邪魔するなよ。」
ちっと、舌打ちを吐き捨てるようにしたヤツ。
私ははだけた首元を直す。
「・・・ジュン様、
貴方という方はこの家系の後継者でございます、
人間の女と淫らな行為はなりません・・・!」
ぼそぼそと、
ミラさんが奴にいっているのが聞こえた。
・・・は。
私の脳の血管がぴきっと弾けたような気がした。
・・・なるほど、
ミラさんは紳士な方だったわけではなく、
奴に人間のような、私のような、
汚れたものと密着するなと、
そう言いたいわけですね。
・・・苛つくな。
やはりヴァンパイアは私の敵だ。
そう思ってドスドスとヤツの部屋からでて自分の部屋にはいり、思いっきりドアを閉めてやった。

