ヤツの顔を見る。
とても、艶やかだった。
色っぽい、そんな感じ。
どくん、どくん。
私の心拍数が上がっていく。
脈がどくどくいうのがわかる。
息切れはしないけど、100m走走ったあとみたいな・・・。
そんな心拍数と脈拍。
・・・何なんだろう。
そう私が身構えていると、奴は何かを感じ取るかのよう目を細めた。
綺麗・・・。
そんなことを思わず考えてしまった。
・・・ってなに考えてんの私・・・!
ヴァンパイアのフェロモンに負けそうになってる・・・!
だめよ、しっかりして私!
私はきゅっと唇を噛み締めた。
すると奴が小さく口を開いた。
キラリと除く牙。
ステーキナイフのような鋭さ。
・・・あ。
なんで、私は、こんな場面でもコイツのこと、色っぽいとか思っちゃってるんだろう。
おかしい、おかしいよ。
私はなんだか泣きそうになった。
ここにきて、コイツのペースに巻き込まれ過ぎてる。
抵抗できない苦しさ。
身体で攻撃できない分、
流されない心の強さが欲しいよ・・・。
だからってここで泣くの?
更にここで泣いたら、私の心はどんどん萎縮して弱くなるばっかりじゃない。
強くなれ。私。
押し倒されたくらいで、
動じない女になれ。
そう思って深呼吸した。

