唇にキスを、首筋に口づけを




「以後気をつけます・・・」



私はそう言って頭を下げた。



顔を上げた時に目に入ったヤツの顔はまあいいだろう、とでもいいたげな表情であった。





・・・気を立たせるな、私。



「それで?


風呂か?」




「・・・はい。」




言葉遣いに気をつけて、はい、気をつけよう。



「場所は知っているか?」




「しっています。」




「そうか、タオルやバスローブは風呂を出てすぐにあるからそれを使え。」




「わかりました。ありがとうございます。」




そう言って嫌味なほどにきれいなお辞儀をつくってみせた。




接客業でみにつけたお辞儀である。




失礼いたしました、

なんて言葉を言って部屋から出た。




お風呂に向かい、服を脱ぎ、大浴場のような風呂に入る。




「やっぱ大きい・・・」




そう思いながら身体を洗いにシャワーのところまで行く。




そなえつけてあるシャンプーやボディソープもとてもいい香りがして品のよさが伝わる。




ふと、首元を洗っていた時であった。




首の赤い点が目に入る。




あ・・・。




・・・さっき言われるまで気づかなかったけど、



まだ残っているか・・・。




結構な月日たったと思うけど・・・。




まあ、付けたて?のときとは違って明日にでも消えそうな儚げな色だが。




こんなもの、はやく消えてしまえ。




・・・といってもキスマークなんてそんなに長くつくのか・・・。




それともヴァンパイアの吸引力がはんぱないのか・・・。




キスマークなんて付けられたことないからわからないよ。




・・・ああ、


なんで私の敵のヴァンパイアに初めてのことを奪われなきゃいけないんだろう。



本当に好きな人と、


こういうことは経験したかったなぁ・・・。




意味はないとわかっていてもタオルでごしごしとその点をこすった。




そのあと、バラのお風呂に一時間近く浸かり、

バラの香りを堪能したあとお風呂から出た。




タオルとかはすぐ出たところにあるって言ってたなぁ・・・。



と、すぐ右手にタオルがある。




そしてふと目をやると、



下着やらなんやらが用意されていた。




・・・おお。



気が利く、というのか、

なんかこっぱずかしいんだけど・・・。



何気に可愛い感じのやつだし・・・。




って、寝間着はネグリジェですか・・・。




どこまでも世界観を崩さないね・・・。



なんて感嘆して、廊下に出た。