唇にキスを、首筋に口づけを




その瞬間。



私はまた自分の弱さを痛感した。




どうしてまた私は爽哉を呼んだのだろう。




爽哉はここに来てくれるわけないのに。




爽哉は私を助けには来ないのに。



何を言っているんだろう私。




やっぱり弱いな。




・・・ああ、



なんで私はこんなに弱いんだろう。




1人で抵抗もできないんだろう。




はぁ・・・




私の身体の力がため息とともに一気に消えていくようだった。




その瞬間、




バタン・・・!!




扉が大きくあいたような音がした。



いや、正確に扉はあいた。





え・・・!?




金髪のヤツが私の手を抑える力を緩めた。




そんな、ばかな。




あり得るわけない。




爽哉が来るなんてこと、ない。




私はそう心に言い聞かせた。




そう言って少し状態を起こす。




そして耳に入る声。




「何やってんだよ兄貴・・・。」




・・・ああ。




私はまたぽっかり心に穴が空いたような気分になった。



・・・何を考えていたんだ私。




爽哉が、本当に来ただなんて心の裏側では思っていた。




・・・そんなこと、一切なかった。





来たのは、私を攫った恨めしき獣で。




「あれ?

これやっぱジュンのなの?」




「そうだよ、さっさと返せ。」




「えーこの子ソウヤって呼んだから違うのかと・・・。

ごめんねー」




そう言って私を持ち上げると、ベットの下に立たせた。




ふら、思わずよろけた。




肩に触れる誰かの手。



獣の手。



「兄貴、くれぐれもこいつには手を出すな。絶対だぞ。」


ギロリと睨む。



すごい威圧感だ。



人が殺せそう、この目で。




そんな物騒なことを考えた。




「はいよー」



そんな軽い返事か聞こえた。



あの目に睨まれてよく平気でいられるな。




というか、この金髪野郎はコイツの兄か・・・。




通りで仕草が似てる・・・。



そんなことを思った。