ガチャリ、
・・・!
ドアノブを捻る音がした。
・・・誰か来た・・・。
私の心臓が早鐘を打つ。
ドアから姿を現したのは、やはりヤツだった。
「腹は空いてないか?」
私に歩み寄りながら話す。
・・・空いてるけど。
なんとなく癪に障る。
「空いてない」
私はそう言ってそっぽを向いた。
その瞬間だった。
ぐぅー
・・・そんな、間抜けな音が部屋いっぱいに響いたのは。
・・・!!!
やっばい・・・これは聞かれた。
「・・・なんだ、今の音は・・・」
ヤツはキョロキョロと辺りを見回している。
なんとも真剣な表情で。
ツライ。
「動物でもいるのか・・・?」
ツライ。
「おい、ゆりな、動物が入って来たりしなかったか?」
いや、ツライツライツライ。
なんだこのヴァンパイア。
天然か?
え、てかなんなんだ、この羞恥にさらされる感じは。
やめてください・・・。
「・・・すみません、
私です。私の音です。」
なんとなく今は反抗心を出せなかった。
恥ずかしさで縮こまるしかない。
・・・穴があったら入りたい。
「・・・は?」
なんか、抜けたような音で返された。
「ゆりなはそんなに低い声が出るのか?」
・・・。
教養がないのか・・・?
いや、もしかしたらヴァンパイアにそういう身体の仕組みはないのかもしれない。
「人間のお腹の音。
お腹がへると鳴るの。」
私はそっぽを向いたまま言った。
すると、あのヴァンパイアから
そうなのか・・・、
なんてひどく真剣に受け取った声がした。
これは、ツライ。
せめて意味を汲み取って笑い飛ばしてくれればまだ私の心は軽かったというのに。
罪悪感に苛まれる。

