店員さんは慣れた手つきで容器へ移していて、それらの具材は白い湯気をたてている。 レジの前に置かれたカゴには飲み物が入っている。 私がいつも飲むメーカーのお茶がちゃんと入っていて。 覚えてくれてたんだ。 学生時代、その時の気分で飲み物を選ぶ桃香と徹。 逆に私と彰吾はいつも同じもの。 会計を済ませ、ビニールをふたつ持つ彰吾に慌てて財布を取り出そうとしたけど「いいから」と言って笑われた。 「ひとつ持つよ」 「じゃあ、こっちな」 「いい匂いだね」 「肉まん、ないのが残念だけどなぁ」