ダッシュボードの時計は14時前。 無言で車を走らせる彰吾。 私はただ窓から見える景色を眺めていた。 これが夢だったら…… 今、ベッドの上で目覚めて夢だったんだぁって胸をなでおろして。 慌てて出掛ける準備をして家を飛び出して。 腕時計を見ながら走って。 そんな事を考えて…… 窓ガラスが冷たい。 額から伝わるその温度が今の私には有難くて。 シートの座り心地がいいのかな? 瞼がどんどん重くなってきて。 私の意識はそこで途絶えた。