私は素直に2人を祝福出来たんだろうか? 出来ない…… それはどんな状況でも、徹と私が付き合っていた以上無理な話で。 だけど…… 桃香の本心からの謝罪を聞いた私にこれ以上責める事なんて出来なくて。 さまざまな思いが複雑に絡み合って息苦しく感じる。 この場から立ち去りたい。 今はただそれだけで…… 千円札をテーブルに置いたのは彰吾。 「行こう」 腕を掴んだままの手から力が伝わる。 今度は抗うことなく…… その力に引き寄せられ、私はこの場から逃げ出すように店を出た。