そうさせるまで私は桃香の事も傷つけていたんだろうか? 親友を裏切る事への葛藤はなかったのだろうか? 私はどうしてここまで恨まれていたんだろうか? そんな思いが渦巻いていて。 私はこの子の事をずっと親友だと…… 思っていた事が悔しくて。 ただ一言。 『ごめん』 本心からのその言葉があれば私は…… 「菜月。行こうか」 ポンと優しく肩を叩かれ、思わず肩が跳ね上がった。 彰吾はすでに立ち上がっていて。 足に力の入らない私の腕を力強く引き上げてくれる。