徹はテーブルに頭を打ち付けそうなぐらい深く項垂れるように頭を下げていて。 桃香がそんな徹の腕をもう一度掴もうとして、身を乗りだした彰吾に手を掴まれていて。 視界の端にそれを捉えても、私は目の前で頭を下げる徹から視線を逸らせなかった。 「俺は菜月の親友と浮気して、恋人と親友を同時に裏切ったんだ。だけど……」 頭を上げた徹は私と彰吾を見ていて。 その目が…… 最後に桃香へと向けられた。