「ねぇ、徹……」 私の問いかけに、ただ横で言い合う二人を見ていた徹が私へと顔を向けた。 そこにはもうさっきの笑みは浮かんでいない。 「今日、此処で待ち合わせしようって最初に言ったのは徹だよね?」 「……うん」 「最初から……桃香との話をしようって思ってたの?」 「……え?」 「最初から二人の関係を打ち明けようって決めてた?」 「……」 小さい動作。 だけど首を縦に動かした徹。 「だから……桃香があのタイミングで現れたんだよね?」 決して大きな声じゃなかったと思う。